まるっと解説! 安全運転管理者とは?

安全運転管理者とは、安全運転を確保する責任者である事業主に代わって企業や組織で、車やトラックの運転者が事故を起こさないようにサポートする人を言います。
誰でも任命できるわけではなく、任命した場合には公安委員会に届出を出す必要があり、法定講習の受講も必要です。
運転者の運転傾向を可視化し、具体的な安全運転の指導を行うことで事故を未然に防ぎましょう。
今回は、2023年12月1日に「改正道路交通法」が施行され、「安全運転管理者」にフォーカスして、解説させていただきます。

安全運転管理者が抱える「3つの課題」

  • 安全運転管理者をなぜ選任しなければならないかわからない
  • 安全運転管理者に任命されたが、何をすれば良いかわからない
  • 安全運転管理者は、法律ではどうなっているのだろう

安全運転管理者(制度)が必要になった背景

昭和34年以降(昭和38年)を除き、年々交通違反は増加傾向が続いており、昭和39年には457,381人に達し、昭和34年と比較して約2.3倍の増加となっています。また、検察庁全体の受理人員における割合も昭和34年の69.2%から、昭和39年には83.2%に増加しています。( 下記Ⅰ- 40表の通り)
 このように交通犯罪の増加に伴い、政府は自家用自動車を使用する事業者等の交通安全に関する社会的責任を明らかにし、事業所等の組織的 、恒常的な安全運転管理と安全指導体制を確立して交通事故防止を図ることを目的として、昭和40年6月に道路交通法に規定された制度です。

1 安全運転管理者の選任義務

一定台数以上の自動車を使用する自動車の使用者は、自動車の使用の本拠(事業所等)ごとに、自動車の安全な運転に必要な業務を行う者として安全運転管理者の選任を行わなければならない。

2 安全運転管理者の選任を必要とする自動車の台数

※ 大型自動二輪車又は普通自動二輪車は、それぞれ1台を0.5台として計算
※ 台数が20台以上40台未満の場合は副安全運転管理者を1人、40台以上の場合は 20台を増すごとに1人の副安全運転管理者の選任が必要

3 安全運転管理者等の要件

安全運転管理者
20歳以上

副安全運転管理者
20歳以上

年齢はどちらも20歳以上とされていますが、副安全運転管理者を置く場合は、安全運転管理者は30歳以上でなければなりません。

<欠格事項>
○ 過去2年以内に都道府県公安委員会による安全運転管理者等の解任命令を受けた者
○ 次の違反行為をして2年経過していない者 酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、妨害運転、無免許運転、救護義務違反、飲酒運転に関し車両等を提供する行為、 酒類を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、無免許運転に関し自動車等を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為、 自動車の使用制限命令違反
○ 次の違反を下命・容認してから2年経過していない者 酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許運転、大型自動車等の無資格運転、最高速度違反、積載制限違反運転、放置駐車違反

4 安全運転管理者等の選任の届出義務

安全運転管理者等を選任したときは、選任した日から15日以内に都道府県公安委員会に届け出なければならない。

5 安全運転管理者の業務

安全運転管理者は、その管理下の運転手に対して、国家公安委員会が作成・公表する「交通安全教育指針」に従った安全運転教育や、内閣府令で定める安全運転管理業務を行わなければなりません。
(道路交通法第74条の3第2項、第3項)

6 安全運転管理者に関する罰則

●安全運転管理者の選任違反等に係る罰則の強化について

※1 公安委員会は、安全運転管理者が法令で定める業務を行っていないために安全運転が確保されていないと認めるときは自動車の使用者に対し、安全運転管理者が解任を命ずることができる。この命令に違反したときの罰則。

※2 公安委員会は、自動車の使用者が安全運転管理者の行うべき業務に必要な権限や機材を与えていないために安全運転が確保されていないと認めるときは、自動車の使用者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。この命令に違反した場合の罰則。

7 安全運転管理者の業務負荷はどれくらいか?

当社の場合、本社拠点の車両所有台数は、約30台一日の平均利用台数は約20台であった。
安全運転管理者がこれに関わる運転手の状態把握、アルコールチェック、運転日報管理などの業務にかかる時間を計算し、結果は下記の通りである。

●管理日報など事前準備 (約30分)
●運転手のアルコールチェック立ち合い、日報記入の確認 約5分×20人 =100分
●提出された管理日報などの帳簿の確認、保存(約40分)

合計すると160分

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